- ふっくん、「ウミガメのスープ」を知っていますか?
- おう知ってるぜ、美味いよな、食べたこと無いけど。
- ……
普通のクイズとは一味違う「ウミガメのスープ」とは

ウミガメのスープは水平思考クイズやシチュエーションパズルとも言ったりする、推理型のクイズゲームです。
普通のクイズと違うところは、回答者が出題者に対し、「YES」か「NO」で答えられる質問をして状況を推理し、出題者の想定する答えにたどり着くというところです。
…と、文章で説明すると、どういうゲームか理解しづらいかと思いますので、実際にウミガメのスープを実演してみます。
ウミガメのスープは本来、出題者と回答者の最低2名は必要なゲームですが、架空のキャラが質問役をやってくれるので、1人でも楽しめるように作りました。ぜひお楽しみください。
ウミガメのスープ実演
まずはウミガメのスープがどういうものかを知るために簡単な問題をやってみましょう。
※あなたも一緒にお考えください!
問題1「残ったリンゴ」

- 問題
- 部屋の中にはリンゴが6つ入ったかごが置いてあり、女の子が6人いた。
女の子が1人1つずつリンゴを取ったが、かごの中にはまだリンゴが1つ入っている。
なぜだろう?
- ではふっくん。この問題に挑戦してみましょう。YESかNOで答えられる質問をして答えにたどり着いてみてください。
- ん~、実はリンゴが7つあったとか?
- NOです。
- 女の子は本当に6人だけ?
- YES。6人の女の子以外は誰もいません。
- 他の女の子と違う行動をした女の子は居た?
- YES!良い質問です。
- 違う行動をした女の子は一番最後の女の子?
- YES。
- たぶんわかったぜ。『最後の女の子はかごに入れたまま取った』だろ?
- 正解です。素晴らしいです。
- ふぅ…。まぁ最初から分かってたが、視聴者のために引き伸ばしてやったぜ。
- ……
- 解説
- 最初の5人はかごからリンゴを1つずつ取っていったが、
6人目の女の子はリンゴをかごに入れたまま持っていったのである。
出典:『水平思考推理ゲーム ポール・スローンのウミガメのスープ』
ふっくんが何度か質問をして答えにたどり着きましたね。
このようにYESかNOで答えられる質問をしていき、状況を絞っていくことで答えを導き出します。
これがこのゲームの大きな特徴であり、面白いところです。
今回の例題は難易度が低いので、質問をしなくてもすぐに答えが分かった人も居ると思います。
しかし、奥が深いウミガメのスープ。問題文のみでは答えを導きだすのが難しい問題が多々あります。
難易度を上げてみましょう。次からウミガメのスープらしくなってきます。
※あなたも一緒にお考えください!
問題2「雑誌の付録」

- 問題
- その雑誌は、今月は特別付録つきだった。
Aさんは、今までその雑誌を買ったことはなかったが、 付録がついているのを見て、その日初めて買って帰った。
しかし、Aさんはその付録を一度も使うことがなかった。
なぜだろう?
- さきほどの問題よりも難易度が上がっています。質問をして答えに辿りついてください。ちなみに質問は何回してもOKです。
- フッ…いきなり分かったぜ。『付録がほしくて雑誌を買ったが、見た目が気に入らなかったから使わなかった』だろ?
- NOです。
- (ドヤ顔で誤答、恥ずかしいがな…)
- ウミガメのスープは一筋縄ではいきません。頭を柔らかくして視点を変える必要があります。
- Aさんは付録がほしくてその雑誌を買った?
- NOです。
- ん~… Aさんはその雑誌を読みたくて買った?
- YES。
- Aさんは今月だけその雑誌を読みたかった?
- NOです。良い質問です。
- (ん…?今月初めてその雑誌を買ったはずなのに、今の質問はなぜかNO…どういうことだ…)
- Aさんは先月はその雑誌を読んだ?
- YES。状況が徐々に絞れてきましたね。
- (今まで雑誌を買ったことが無いのに、先月は読んだ…ということは…)
- Aさんは普段、その雑誌を立ち読みしている?
- YES!良い質問です。
- (キタコレ!!…ということは答えはきっとアレだな…!!)
- 状況の整理
-
- Aさんは付録が欲しかったわけではない。
- Aさんはその雑誌を毎月読んでいる
- しかし、買ったのは今回が初めて
- 上記のことから、Aさんは毎月立ち読みをしていることがわかった。つまり、今月は買わなければならない理由があった。
ふっくんの質問をヒントに、答えを考えてみてください。
↓↓↓スクロールすると解答があります。
- 解説
- Aさんはその雑誌で連載しているコラムの愛読者だったが、 それ以外に読む物がなかったので、いつも立ち読みで済ませていた。
だが今月は付録を固定するため、雑誌にビニール紐が掛けられている。
「ちくしょう、”今週のおふわ”のコラムが読めねーじゃねーか!」
毎月楽しみにしているコラムを読まないわけにはいかないので雑誌を買っていったが、全く興味のなかった付録は封を切ることもなかった。
出典:http://sui-hei.net/mondai/show/5378
- ふっくん、手ごたえはどうでしたか?
- なかなか面白かったぜ
- ウミガメのスープは、「答えを出すこと」よりも「答えを出すための過程」がとても面白いゲームだと私は思います。
- 確かにな。徐々に状況が明らかになっていく感じが良かったぜ
では最後に、このクイズゲームの名前にもなっている「ウミガメのスープ」という問題を解いてみましょう。
「ウミガメのスープ」はクイズゲーム自体の名称を指しますが、実は有名な問題のタイトルでもあるのです。
難易度は先ほどの「雑誌の付録」よりもさらに上がります。
推理小説を読む感覚で考えてみてください。
※あなたも一緒にお考えください!
問題3「ウミガメのスープ」

- 問題
- ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男は勘定を済ませ、帰宅した後、自殺をしました。何故でしょう?
- 急になんか重くなったなおい
- 水平思考クイズ「ウミガメのスープ」の真髄がここに詰まっています。さあ真実を解き明かしてください。
- 男はウミガメのスープがまずすぎて自殺した?
- ……NO
- シェフがスープに毒を入れたとか?
- NO。それだと他殺ですね。
- そもそも自殺した原因にシェフは関係ある?
- NOです。関係ありません。
- 男は借金を抱えている?
- NO。
- (くっ…全然わかんねぇ…)
~ここから長いので、良い質問だけハイライト~
※以下ふっくんがバンバン良い質問をしているように見えますが、その間には大量の無駄な質問が省略されていることをご了承ください。
- 男はある事実に気づいて自殺した?
- YES。
- 男の過去の出来事が関係する?
- YES!
- 男は以前にウミガメのスープを飲んだことがあり、そのときと味が違った?
- YES!とてもいい質問。
- もしかして、以前に飲んだウミガメのスープは、実はウミガメのスープでは無かった…とか…?
- YES。良いところに気がつきましたね。
- (うぉお!なんだこの真実に近づいていく感覚…!!楽しい…!!)
~さらに質問を繰り返していく~
- 男の職業は関係ある?
- YES。
- 男の職業は船乗り?
- YES!良い質問です。
- 男は過去に遭難したことがある?
- YES!
- (まさか……)
- 男が以前に飲んだウミガメのスープは、人の肉が入ったスープ…??
- YES。気づきましたね。
- (ゾワッ…!!!!!!!)
ここまで来てふっくんは真実を悟ったようです。
あなたはこの物語の真相が分かりましたか?
- 状況の整理
-
- 男は船乗りで、遭難したことがある。
- 男は以前にウミガメのスープを飲んだことがあり、そのときと味が違った。
- 以前飲んだウミガメのスープは、人の肉が入ったスープだった。
↓↓以下、真相&解説になります。
- 男は…遭難したときに…他の仲間がウミガメのスープと偽って人の肉を食べさせたのか…
- YES。その通りです。
- 食糧が尽きて他の人が餓死していく中、生き残った人達は無くなく死体を食べること選んだのですが、その男だけは断固拒否し続けていたのです。「人の肉なんか絶対に食べない」と。
- そのままだとその男が死んでしまうと思った仲間は、生き延びさせるために偽ってでも男に死体を食べさせたわけですね。「これはウミガメのスープだから大丈夫」だと言って。
- 何て物語だ…鳥肌が止まんねぇ…
- 解説
- 男は船に乗っていた。
ある日、男の乗る船が遭難してしまった。
数人の男と共に救難ボートで難を逃れたが、漂流の憂き目に。
食料に瀕した一行は、体力のない者から死んでいく。
やがて、生き残っているものは、生きるために死体の肉を食べ始めるが
一人の男はコレを固辞。当然、その男はみるみる衰弱していく。
見かねた他のものが、「これは海がめのスープだから」と偽り
男にスープを飲ませ、救難まで生き延びさせた。
しかし、レストランで明らかに味の違う
この「本物の海がめのスープ」に直面し
そのすべてを悟り、死に至る。
出典:http://sui-hei.net/mvs/show/1
実はこの問題の解答には様々なバリエーションがあったりします。
例えば、「遭難時にウミガメのスープとして飲んだものは、同じ船に乗って餓死してしまった息子の肉だった…」
なんて言う更に残酷な設定など。
つまり、ウミガメのスープというゲームは思考の過程を推理して楽しむゲームなので、多少結論が変わっても問題無いと個人的に考えています。
- 長かったですが、よく答えに辿りつきましね。
- 途中ゾワっとしちまったぜ
- その感覚もウミガメのスープの醍醐味ですよ。
- てかもっと問題出してくれ
その後2人は更に友達を集め、朝まで延々とウミガメのスープをやりましたとさ。
~完~
おわりに
ウミガメのスープの実演いかがだったでしょうか。
今回は分かりやすいように1対1の形式でやりましたが、難しい問題だと1人で解くのは厳しいので、回答者は複数人いたほうが推理が進んで楽しいと思います。
自分はすごいハマった時期は夜な夜な友達と問題を出し合ったりしてやっていました笑
他にも色んな問題をやりたい人は、ラテシンというサイトがおすすめなので、気になったらチェックしてみてください。
では~。